2007 Fiscal Year Annual Research Report
交差する振動磁場中の原子の擬エネルギー構造と量子制御
Project/Area Number |
19540413
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
日野 健一 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (90228742)
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Keywords | 原子・分子物理 / 光物性 / 超格子 / 量子制御 / 2次ゼーマン効果 |
Research Abstract |
本年度は、Fourier-Floquet(FF)展開法に基づいて、交差する振動磁場下の-電子原子の擬エネルギ-状態を数値計算することと、この結果を基に光吸収スペクトルを求めることを行った。以下に、各項目の詳細を記す。 1.擬エネルギー状態を求めるに当たって、系の時間と空間の基底関数をどのように選択するが数値計算の負荷に大いに影響する。本研究ではガウス基底を用いた。一方、時間に対する基底としては平面波を採用し、定石であるFF展開法を採用した。本年度は、収束性を含めた数値計算の効率性のチェックを行った。 2.通常の光吸収スペクトルは「定常状態」間の遷移を前提として導出されているため、本研究で扱う系ではこの導出法は採用できず最初から見直す必要がある。そこで、Liouville方程式を出発点として、予め求めてある一連のFloquet状態を時空間の基底として、弱プローブ光との相互作用のみ一次摂動にとどめた密度行列を導出した。これから光学的な感受率を求め、光吸収スペクトルの数値計算を行った。 現段階では、数値計算の規模もさほど大規模ではない準備的な段階であるが、計算コードの修正をほぼ終了した。次年度からは、計算科学研究センターの超並列マシンを用いて、大規模計算に移行する予定である。
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