2008 Fiscal Year Annual Research Report
計算機ホログラムを用いた原子リソグラフィーの描画自由度拡張に関する研究
Project/Area Number |
19540414
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
大向 隆三 Saitama University, 教育学部, 准教授 (40359089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 一史 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (40178421)
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Keywords | 原子リソグラフィー / 計算機ホログラム / レーザー冷却 |
Research Abstract |
高信頼性・高操作性の原子操作用紫外波長域レーザー光源として、外部共振器型半導体レーザーの開発を実施した。制御対象となるYb原子の遷移波長にマッチした発振波長を持つNichia製紫色半導体レーザーを用いて、回折格子で波長選択的に光フィードバックを行う方法により、スペクトル幅を狭窄化すると同時に発振波長チューナビリティを向上させる構造で光源装置を組むこととした。発振波長の粗調は光軸に対する回折格子の設置角度で行い、Yb原子遷移波長への微調整は回折格子に接着した圧電素子に電圧を印加して共振器長を制御することを通じて実現させた。これと並行して、当該光源のスペクトル性能を評価するためのファブリーペロー干渉計(自由スペクトル領域:250MHz、フィネス:103)も製作した。我々の開発した光源の性能を発振波長及びスペクトル線幅の観点から評価したところ、波長398.774〜399.738nm、スペクトル線幅8MHz以下での動作を確認できた。Yb原子の共鳴波長は398.912nmであるので、この値は上記の波長範囲に含まれている。またYb原子のスペクトル線幅(28MHz)に比べて、光源のスペクトル幅は十分に狭くすることもできた。これらより、本研究目的に叶う光源の開発に成功したと言うことができる。しかし、現状では上記性能を維持して動作可能な時間が制限されているので、電気的フィードバック機能を付与するなど、長期の安定した運転に向けて来年度以降改善を試みる予定である。さらに今年度は、近接場による原子の高効率な制御を可能にするため、磁気光学トラップをベースにした原子の冷却・捕獲技術の開発に取り組み、その性能評価を詳細に検討したところ、従来よりも10倍程度効率の高い冷却原子の発生を確認した。
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