2009 Fiscal Year Annual Research Report
計算機ホログラムを用いた原子リソグラフィーの描画自由度拡張に関する研究
Project/Area Number |
19540414
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
大向 隆三 Saitama University, 教育学部, 准教授 (40359089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 一史 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (40178421)
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Keywords | 原子リソグラフィー / 計算機ホログラム / レーザー冷却 |
Research Abstract |
計算機ホログラムで光マスクを発生させるためのレーザー光源を安定化するため、近赤外半導体レーザー(LD)のスペクトル制御に関する研究を行なった。具体的には、ルビジウム(Rb)原子を対象とした飽和分光法を駆使し、その交差共鳴信号を参照信号としてLDの発振周波数を安定化させることを試みた。まず最初に光学配置の調整、ポンプ光強度の最適化を行い、スペクトル線幅10MHzのRb原子交差共鳴信号を観測することができた。この信号を用いれば1MHz/hour以下の安定度でLDの発振周波数を安定化させることができると見積もられたので、続いてサイド・オブ・フリンジ法と自作のPI制御回路を組み合わせてフィードバック信号を発生させ、それをLDの注入電流へ帰還させる実験を行った。実験では回路の信号増幅率、積分時定数の条件を試行錯誤で変えながら、LDの発振周波数安定度を測定し、もっとも安定化できる条件を探索した。その結果、最終的に0.4MHz/hourという周波数安定度を達成した。LDから出力されている光の強度揺らぎもこの安定度の値に含まれていることを考慮すると、実際の周波数安定度はそれ以上であると推測される。現状でもレーザー光源の周波数安定度は原子の自然幅の1/10以下に相当する値であり、今回開発したレーザー光源は安定化用光源として十分満足のいく性能を発揮している。原子リソグラフィー用の光マスク生成光源のために利用可能な安定化LD光源システムを完成させることができた。
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