2007 Fiscal Year Annual Research Report
振動冷却分子イオンを用にた解離性電子捕獲反応における3体効果に関する研究
Project/Area Number |
19540418
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
斉藤 学 Kyoto Prefectural University, 人間環境学部, 准教授 (60235075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春山 洋一 京都府立大学, 人間環境学部, 教授 (00173097)
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Keywords | 解離性電子捕獲 / 3体効果 / 静電型イオントラップ |
Research Abstract |
振動基底状態にある分子イオンビームを静電型イオンビームトラップより取り出し実験散乱槽まで輸送するためのビームラインを設計および設置した。その際、トラップから逃れてくる中性粒子や所定の運動エネルギーとは異なるエネルギーを持つイオンを除去するため、ビームライン途中に四重極デフレクターを設置した。実際にビームを使って実験を行い、トラップより取り出したイオンビームを実験散乱層の標的位置まで輸送することができることを確認した。 次に、標的位置まで輸送したイオンビームの量、および形状を実験によって評価した。着目している分子イオンは振動冷却時間が10ms〜100msのHD^+イオンであり、このイオンを模擬して実験を行った。この結果より、以下の知見と課題が得られた。(1)トラップから取り出して標的位置まで輸送できるイオン量は約2000cpsであることがわかった。このイオン量は、目的としている電子捕獲解離実験に供することのできるイオン量である。(2)実験散乱槽内の標的位置におけるビーム強度分布はガウス分布に従っており、その径は半値幅で約4mm、1/10幅で7mmであることがわかった。一方、分子イオン解離実験の分解能に必要なビーム径は最大で1mmであるので、得られたイオンビームの径を絞る必要があることが明らかになった。ただし、ビームの必要量から考えて、スリットでコリメートする方法は取れない。よって、ビームラインに新たにレンズを設置するなどして、標的位置にビームを集束させる必要がある。
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