2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540424
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
兵頭 政春 National Institute of Information and Communications Technology, 第一研究部門未来ICT研究センター・ナノICTグループ, 主任研究員 (30359088)
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Keywords | レーザー冷却 / 磁気光学トラップ / 磁気トラップ / ルビジウム原子 / 磁場補償 |
Research Abstract |
筆者らが考案した特殊な電流パターンを用いた原子トラップを用いてルビジウム原子を超高真空中で捕獲・冷却し,従来型のミラー磁気光学捕獲装置(ミラーMOT)と比較して原子がより効率的に捕獲されること,さらに従来よりも少ない電流で磁気トラップ(MT)を構成できることを実証するため、シミュレーションによる検討と実験を行った。 まず、電流パターンが発生する磁場の高次多重極補償を実現するための条件をシミュレーションによって系統的に調査・解析し,試作した導体構造体の最適な動作条件を決定した. 次に,この構造体を既存の超高真空装置内に設置してミラーMOTを構成し,ルビジウム原子の冷却・捕獲実験を行った.特に従来型の磁場補償を行わないタイプのミラーMOTとの比較を行い,捕獲される原子数に着目して動作特性を吸光イメージング法によって詳細に調べたところ、捕獲原子数に有意な差が認められた。そこでレーザー光のビーム径や離調,磁場勾配等のパラメータに対する依存性を詳しく調べたところ,捕獲原子数の増加が磁場補償の効果を反映した結果であることが実証された. 次に,MOTで捕獲した冷却原子をさらにレーザー冷却し,光ポンピングを得てS型MTへ高効率に移行する実験を行った.MTに於いては消費電流の大きさに着目し,その動作特性を吸光イメージング法および飛行時間測定法によって詳細に調べ,従来のZ型MTとの比較検討を行った.以上の基本特性に関する研究成果をまとめて1件の論文発表と3件の学会発表を行った。 本研究で得られた成果は、中性原子の表面捕獲効率の向上、原子チップの小型化、省電力化を実現する上で極めて有用な技術になるものと期待される。
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Research Products
(4 results)