2008 Fiscal Year Annual Research Report
各種顕微分光法による膜破壊性ペプチドと膜との相互作用機序の解明
Project/Area Number |
19540425
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大場 哲彦 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 助教 (10250664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大木 和夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80115394)
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Keywords | 膜破壊性ペプチド / 顕微分光 / ミューラ行列イメージング / 膜流動性イメージング |
Research Abstract |
本研究の目的は、我々の研究室でこれまで開発してきた膜流動性イメージング法とミューラ行列イメージング法、本研究で新たに開発する顕微分光法を組み合せて、本研究で新たに提案する「合成膜破壊性ペプチドの設計指針」に基づいて、膜破壊性ペプチドの脂質膜への作用機序を明らかにすることである。 ミューラ行列イメージング法の開発では、直線偏光子と固定波長板および液晶FLC波長板の組み合わせで構築される一般化した偏光子と検光子を用いて、透過および落射蛍光試料のミューラ行列画像を撮影することに世界で始めて成功した。その結果、落射蛍光測定では、ダイクロイックミラーが大きく偏光を変化させており、この効果を正しく取り入れないと蛍光試料の真の偏光応答を得ることができないことが明らかになった。これは、4x4のミューラ行列の方法を用いたことで初めて明らかになったことである。現在、この方法を、膜破壊性ペプチドと脂質膜との相互作用機序の研究に適用しつつある。 代表的な膜破壊性ペプチドであるメリチンと脂質膜と相互作用機序を、膜流動性イメージング、示差走査熱量測定、蛍光分光などの多くの方法を組み合わせて研究した。その結果、メリチン高濃度で現れる球状構造体は、二分子膜構造をとるものの、脂質分子の回転運動は通常の膜よりも速く、磁場で配向するという。これまでの定説をくつがえす興味ある性質を持つことを明らかにした。また、この球状構造体は、膜破壊性ペプチドのある種の性質から生ずる一般性のある構造で可能性を示唆した。
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