2007 Fiscal Year Annual Research Report
一軸性架橋剤流場による形状環境依存性高分子鎖の液晶ゲル形成機構の統計力学的解明
Project/Area Number |
19540426
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山本 隆夫 Gunma University, 大学院・工学研究科, 教授 (80200814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土橋 敏明 群馬大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30155626)
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Keywords | 液晶ゲル / 自己組織化 / 透析 / 非平衡熱力学 / 膨潤・収縮 / 二次元格子Fermion描像 / 緩和時間 / スケーリング則 |
Research Abstract |
1.蓄積されたデータに基づき透析による液晶ゲル化現象の巨視描像の精密化をおこなった。(1)カードラン液晶ゲル形成の時に考案した金属カチオン流入による液晶ゲル形成理論を透析による液晶ゲル化現象のmoving boundary pictureとして一般化した。(2)鎖状高分子鎖を結合させる金属カチオンの透析外液かち透析内液への流だけでなく透析内液からのイオン(OH^-イオン)流も考慮した非平衡勢力学模型を構築した。これにより,カードラン液晶ゲルの懸濁リング半径のスケーリング則,C0イオンによるDNA液晶ゲルの形成停止現象,Alイオンによる二段階液晶ゲル形成の三つを説明することができた。(3)DNA液晶ゲルビーズによるアクリジンオレンジ(A0)の吸着挙動をmoving boundary pictureに基づき理論化した。 2.新しいいくつかの巨視的測定をおこなった。(1)DNA液晶ゲル生成過程におけるゲルの膨潤・収縮過程を,透析内液DNA濃度,透析外液金属カチオン濃度,透析外液金属イオンの種類を変えて測定した。緩和時間が二つある緩和プロセスと考えることで理解できることがわかった。(2)DNA液晶ゲルビーズをA0溶液につけ吸着させた後AOが容易に溶解する溶液にゲルビーズをつけることでAOを脱着させた,この吸着,脱着プロセスを繰り返していくとA吸着時のAO吸着量が増大するという特異な現象を発見した。 3.DNA液晶ゲルフィルムを用いたX線小角・広角散乱実験をおこなった。DNAの配向に伴う異方性を観測できた。 4.X線の散乱実験解析用の微視的模型,二次元格子Fermion描像に基づく配向性紐系模型を転送行列表示で記述した。パラメータ数が多すぎるという欠点を持つので,それを是正し相関関数を求めて実験データの解析をおこなう予定である。
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Research Products
(3 results)