2008 Fiscal Year Annual Research Report
一軸性架橋剤流場による形状環境依存性高分子鎖の液晶ゲル形成機構の統計力学的解明
Project/Area Number |
19540426
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山本 隆夫 Gunma University, 大学院・工学研究科, 教授 (80200814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土橋 敏明 群馬大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30155626)
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Keywords | 液晶ゲル / X線散乱 / Fermion描像 / Moving Boundary描像 / 膨潤・収縮 / 吸着と放出 / スケーリング則 |
Research Abstract |
1.X線散乱実験の実施と液晶ゲルの二次元Fermion描像の作成 カードラン液晶ゲルだけでなくDNA液晶ゲルのX線散乱実験データを取ることができた。カードラン同様、異方的な散乱パターンを得ることができた。昨年度作成した液晶ゲルの二次元Fermion描像に基づき、X線散乱パターンを記述する相関関数の表式を導出できた。今後、この相関関数表式を数値的に処理しながらX線散乱データを解析していく予定である。 2.DNA液晶ゲルへのアクリジンオレンジ(AO)吸着実験と吸着理論の一般化及び液晶ゲルの崩壊の発見 DNA液晶ゲルへのAOの吸着および放出実験を詳細に行った。実験データの詳細な解析より吸着過程についての新描像の構築と理論の一般化を行うことができた。さらに、吸着・放出過程中での架橋剤であるコバルトイオン溶出が観測され、吸着・放出を繰り返すことで液晶ゲルが崩壊することを見いだした。液晶ゲルをモデル試料としてゲルの崩壊の実験的理論的研究が可能であることがわかった。 3.一般化された液晶ゲル成長関数の構築 Moving-Boundary描像を用いて、液晶ゲル生成過程における液晶ゲル厚の時間変化の記述を、普遍的な関数と液晶ゲルの多様性をしめす係数部分に分けた表式が構築できた。これにより、一見多様に見える成長状況を一般的に解析することができるようになった。 4.液晶ゲル形成過程におけるゲルの膨潤・収縮挙動の測定とスケーリング則 液晶ゲルの形成過程中のゲル体積の時間変化を調べた結果、この時間変化は封じ込められる領域の特徴的な長さでスケールできるというスケーリング則を見つけることができた。
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Research Products
(5 results)