2009 Fiscal Year Annual Research Report
一軸性架橋剤流場による形状環境依存性高分子鎖の液晶ゲル形成機構の統計力学的解明
Project/Area Number |
19540426
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山本 隆夫 Gunma University, 大学院・工学研究科, 教授 (80200814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土橋 敏明 群馬大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30155626)
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Keywords | 液晶ゲル / Moving Boundary描像 / ラプラスの方程式 / キトサン / 中和過程 / 二段階液晶ゲル化 / 潮汐力 / マイクロレオロジー |
Research Abstract |
1.液晶ゲル形成過程のMoving Boundary描像の幾何学因子と物理化学因子の分離 液晶ゲル形成のダイナミックスを記述するMoving Boundary描像の数学的構造を詳細にしらべ、それが、ラプラス方程式の境界値問題に還元されることを突き止めた。これにより、液晶ゲルの成長界面のダイナミックスは、ラプラス方程式の解である物理化学的な量と方程式の境界条件という幾何学的な条件より構成され、さらにそれぞれは分離して設定できることがわかった。 2.環境変化により引き起こされる液晶ゲル化のダイナミックスの理論構築とキトサンによる確認実験 Moving Boundary描像の汎用性を利用して、液晶ゲル化が透析外液からの架橋剤流入ではなく高分子鎖の溶媒が中和することで引き起こされるという新しいタイプの液晶ゲル形成ダイナミックスの理論を構築し、キトサンの液晶ゲル化実験をすることでその正しさを実験的に検証した。 3.二段階液晶ゲル化過程の発見とその理論の構築 Coカチオンにより形成されるDNA液晶ゲルのダイナミックス計測をより緻密におこなうことで、液晶化とゲル化が必ずしも同時に起こるのではなく、まず、ゲル化が起こりそののち液晶化が起こる場合があることを突き止め、Moving Boundary描像を一般化してそれを定量的に解析する方法を考案した。 4.マイクロレオロジーとしての高分子鎖の配向プロセス 架橋剤なしで液晶ゲルが形成可能であることから、架橋剤の流入により高分子鎖が配向するのではなく、高分子鎖の環境の空間的な非一様性により生じる潮汐力により高分子鎖の伸長が起こり配向するという考えに至り、その伸長過程を高分子鎖のマイクロレオロジーとしてとらえる方法を考案した。伸長過程の基礎方程式を、外場のあるガウス鎖に対するLangevin方程式と、外場を記述するFlory-Huggins型自由エネルギーという構成で構築した。
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Research Products
(19 results)
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[Presentation] 配向DNAゲルの崩壊過程2009
Author(s)
内藤大輔, 真野美幸, 槇靖幸, 山本隆夫, 土橋敏明, 中村邦男
Organizer
第32回日本バイオレオロジー学会年会
Place of Presentation
桐生市市民会館
Year and Date
2009-06-04
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