2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540444
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
渡邊 了 University of Toyama, 理工学研究部(理学), 准教授 (30262497)
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Keywords | 電気伝導度 / 岩石物性 / 水 / 地殻 / 地震発生 / 流体圧 / 粒界 / 濡れ角 |
Research Abstract |
本研究の目的は,含水岩石の電気伝導度をクラック密度およびクラック開口の関数として明らかにし,地殻内部の間隙流体圧の推定を可能にすることである.次の2つの研究を進めてきた.1.封圧,流体圧を制御した含水岩石の電気伝導度測定 今年度は主として測定システムの整備を進めた.(1)低周波(>0.01μHz)まで制御可能な信号発生器を導入して,電気インピーダンス測定システムを整備した.これにより測定周波数の下限を6桁下げることができるようになった.(2)現有の圧力容器を改造し,計測用リードを8本に増設した.しかし,リード取り出し部から油漏れが生じるという不具合があり,設計の変更等をメーカーと検討中である.(3)圧力容器内での電気インピーダンス測定用エンドピースの基本設計を行った.試作品を用いてテストを行う予定であったが,圧力容器の不具合のためテストには至っていない. 2.水-固体シート積層構造についての物性測定 含水岩塩を用いた電気インピーダンス測定のデータを解析し,濡れ角測定からは予測されない連結した粒界水の存在を明らかにした.これは国際会議"変形メカニズム・レオロジー・テクトニクス"(ミラノ大学)で発表済みであり,論文を準備中である.また,このような薄膜状の水の物性を明らかにするために,カバーガラスではさんだ水の誘電率測定,およびガラス表面に吸着した水の電気伝導度測定を開始した.表面吸着水の測定から,ごく少量の水であっても電気物性が大きく変化する結果を得ている.次年度以降,測定を精密化させていく予定である.
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Research Products
(1 results)