2008 Fiscal Year Annual Research Report
地下深部物性値を遠地地震波形から直接抽出する:透過波AVO法の実現
Project/Area Number |
19540448
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹中 博士 Kyushu University, 大学院・理学研究院, 准教授 (30253397)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡元 太郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (40270920)
|
Keywords | 地震 / 固体地球物理学 / 地震波 |
Research Abstract |
自然地震を用いた地下(地球内部)構造の探査はパッシヴ探査(受動振源探査)と呼ばれる。パッシヴ探査は,精度と分解能の点で人工振源を用いるアクティヴ探査にとても及ぶものではないが,探査深度は桁違いに深い。遠地地震記録の波形を用いて地下の速度不連続面をマッピングし,地震波速度を抽出する新しい手法の実現を図ることが本課題の目的である。本年度は,以下のことを行った。本年度は,以下のことを行った。 1)3次元不均質構造の平面波入射応答を計算するための手法の開発(継続中) 現実の地球内部は3次元的に不均質であり,波動計算を3次元不均質構造モデルを用いて行うことで高精度のメージングの実現が期待できる。遠地実体波記録の下方接続のためには,構造モデルの平面波入射応答を計算する必要があり,3次元不均質構造を扱うためには3次元差分法等の数値計算法を用いることになる。しかし,3次元差分法で平面波入射を扱うとき,計算領域の端から強烈な人工反射波が生じるためこれまで実際に使える手法はなかった。そこで,この問題を克服すべく,新しいスキームの開発を行ってきた。スキームの実現可能性を探るため計算プログラムを試作した。このプログラムを実行した結果,斜め入射の場合に地表反射する辺りから発散することがわかった。開発したスキームは内部領域における波動伝播には問題ないと考えられるので、自由表面条件や計算領域の側方境界条件を別の手法で実装することにより発散を回避できる可能性があり、次年度への課題である。 2)高精度差分オペレータの開発 最近電磁波解析のために開発された高精度の差分オペレータ「non-standard finite difference」を2次元の弾性波動計算に適用することに成功した。従来のスタガード格子差分オペレータと比べて,特にS波の数値的な格子分散と格子異方性を著しく低減することができた。長距離伝播の計算誤差低減に有効である。
|