2008 Fiscal Year Annual Research Report
世界最高速の3次元マントル対流シミュレーションプログラムの開発
Project/Area Number |
19540452
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
亀山 真典 Ehime University, 地球深部ダイナミクス研究センター, 准教授 (70344299)
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Keywords | マントル対流 / 数値シミュレーション / 並列計算 / インヤン格子 / 多重格子法 / 局所時間刻み法 / クリロフ部分空間法 |
Research Abstract |
まず、3次元球殻マントル対流シミュレーションプログラムの改良を行った。第1に、本プログラムの基盤技術の1つであるACuTE法に線形代数の観点から見直しを加えた。具体的には、多重格子法をクリロフ部分空間法と併用することによって、ACuTE法の加速を試みた。その結果、流れ場の反復解法の収束性が向上し、特に格子分割数の多い大規模モデルを扱う場合のACuTE法の計算量を大きく軽減させることに成功した。さらに現実的なマントルダイナミクス問題の解明に向けて、マントル物質の固相-固相転移や粘性率の温度・圧力依存性を扱うための流体モデルの高度化を行った。 また、本研究で開発した一連のシミュレーションプログラムの公開に向けて、外部の「一般ユーザ」への支援を本格的に開始した。具体的には、ミネソタ大学・東京工業大学の「ユーザ」に3次元箱型マントル対流シミュレーションプログラムACuTEManを提供するとともに、独自の環境でのインストールから大規模並列シミュレーションジョブの投入までをサポートした。加えて、「ユーザ」が独自の機能を追加する作業を支援し、3次元箱型対流シミュレーション結果の「対話型」可視化、及び新たなマントル物質の固相-固相転移を取り入れたシミュレーションを可能にした。 これらの成果は日本地球惑星科学連合2008年大会及びAmerican Geophysical Union2008Fall Meetingにて発表済みであり、また雑誌Physics of the Earth and Planetary Interiors及びVlsual Geosciencesに査読つき論文として掲載された。
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