2008 Fiscal Year Annual Research Report
太平洋とインド洋の年々変動現象の関係に暖水プール変動が果たす役割の研究
Project/Area Number |
19540459
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
根田 昌典 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 助教 (10273434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 拓也 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境観測研究センター, ポスドク研究員 (40466256)
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Keywords | 暖水プール / ENSO / ダィポールモード / 4次元データ同化システム / 大気海洋相互作用 |
Research Abstract |
インド洋ダイポールモードの発生・発達過程において重要であると指摘されているダイポール東極の熱収支について、昨年度に引き続き解析を行った。ダイポール東極内の熱フラックスの各成分の空間分布を詳細に調べ、大気海洋間の熱的な相互作用と海上風変動に対する海洋の湧昇の励起の場所の不一致を明らかにした。海面温度の変動成分が、大気変動とどのように関係するかについては、引き続き大気海洋結合4次元同化システムの出力を解析するが、暖水プール域内のニューギニア沿岸においても沿岸湧昇による海面温度偏差によって大気の局所的な応答がエルニーニョの発生と関係する可能性について長谷川の会席を通じて明らかになり、太平洋とインド洋にまたがる暖水プール変動において沿岸湧昇の働きの重要性が共通する可能性が示唆された。これらの結果については、国内、国際学会で発表した。また、大気と海洋の相互作用を定量的に理解する手法として人工衛星や海面ブイを用いた手法の検討も同時に行い、局所的な熱フラックス変動に対して、海上風向と、移流される大気の性質の両方を考慮することが重要であることがわかってきた。これらの成果は主に根田が学術雑誌に発表した。 また、研究打ち合わせは3度行い、それぞれの進捗状況と関係分野の研究動向について情報交換を行うことを通じて、暖水プール変動を支配する物理過程に対する共通認識の構築に努めた。打ち合わせでは、大気海洋結合4次元同化システムの結果が海面温度と大気変動のフィードバック過程の解析に耐えられるのかについても議論を重ね、同化システムの出力が観測とどの程度整合性があるかを検討した。これらの議論につながる初年度の研究成果として連携研究者の望月博士が大西洋中緯度における類似の現象の解析に関する速報を公表論文にまとめた。一方、ホームページによる成果の迅速な公表作業は遅れたため、次年度への課題となった。
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Research Products
(7 results)