2008 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯域メソスケール雲システムにおける乱層雲中の鉛直流生成機構
Project/Area Number |
19540460
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西 憲敬 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 助教 (00222183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 真之 京都大学, 生存圏研究所, 助教 (90346073)
安永 数明 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境観測研究センター, ポストドクトラル研究員 (50421889)
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Keywords | 気象学 / リモートセンシング / 地球観測 / 熱帯 / 降水システム |
Research Abstract |
1)2つのVHFレーダー(信楽のMUレーダーとインドネシアのEAR)において、FDI法によるレーダー反射の精密測定を鉛直風観測との比較において行い、観測される特定の鉛直風パターンがどのような大気成層構造によってもたらされるかを調べた。本年度は主に乱層雲・巻雲雲底付近を測定し、対流不安定やK-H不安定との関連が示唆された。2)メソスケール雲システムにおける鉛直流生成に影響を与える大規模場の鉛直温度構造について、2006年に運用開始したCOSMIC衛星を用いての精密解析を行った。赤道西インド洋の対流圏上部に認められる独特な定在安定層を解析した結果、この安定層は赤道付近に局在し、東ほど高度が高く圏界面付近の成層圏に接続しているようにみえる。このような温度勾配は、潜在的にメソ降水システム層状降水域の鉛直流を強化または抑制する可能性があるため注目される。3)観測されたメソ降水システムの盛衰を大規模かつ継続的に推定するためには、静止衛星データの利用が有効である。2006年に運用開始したCloudSAT衛星の雲レーダーデータを用いて、静止衛星による降雨判定および雲頂高度推定法を改良した。また、衛星天頂角や緯度・季節などによって推定パラメーターがどの程度影響を受けるかを評価した。これによって鉛直流観測を行う雲システムの性質がより正確に記述できるようになった。4)鉛直流生成機構を研究する数値実験をコミュニティモデルWRFの改良を行うことによって行った。鉛直流生成要因を、昇華成長・対流セル生成・過冷却水滴の凝結・重力波などに分けて評価するためのモデルコードを作成し、様々な背景場におけるメソ降水システムの鉛直流パターンを調べた。
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Research Products
(25 results)