2008 Fiscal Year Annual Research Report
衛星観測による対流圏オゾンの研究-前駆物質の影響と成層圏からの流入量の解析-
Project/Area Number |
19540462
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
林田 佐智子 Nara Women's University, 理学部, 教授 (70180982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久慈 誠 奈良女子大学, 理学部, 講師 (90260653)
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Keywords | 大気汚染 / 対流圏オゾン / 一酸化炭素 / 二酸化窒素 / 人工衛星 |
Research Abstract |
本研究課題では、日本周辺を中心に集中的に衛星データやゾンデ観測データの解析を行い、オゾンの濃度を高度別に調べ、中国大陸から流出する汚染空気塊の影響や、成層圏からの流入の影響を調べた。その結果、対流圏オゾンはアジア域に高濃度帯があり、夏に高濃度、冬に低濃度になる。その位置は夏に高緯度に、冬に低緯度に移動するという明瞭な季節変化があった。日本4地点(札幌、つくば、鹿児島、那覇)のオゾンゾンデ観測結果はそのような空間的なオゾン濃度の変動を各ステーションでとらえていたことが明らかになった(Hayas hida et al.,2008). 中国の大気汚染の影響を評価するために流跡線解析を詳細に行い、各ゾンデ観測地点のデータをすべて分類したところ、1990年代以降のオゾンに上昇傾向が見られないが、これは中国の風上側にあるヨーロッパでの前駆物質排出が減少したことと関係があることが突き止められた。一方、NO_2自体の変動を解析した結果、北京などの大都市ではNO2の放出量が2004年以降増加していないのに対し、郊外の新興都市では顕著に増加傾向にあることが明らかになった。これらの結果は論文を投稿準備中である。
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Research Products
(12 results)