2007 Fiscal Year Annual Research Report
原子フィルターを用いた回転ラマンライダーによる赤道下層大気の気温観測
Project/Area Number |
19540465
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
長澤 親生 Tokyo Metropolitan University, システムデザイン研究科, 教授 (80145664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿保 真 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (20167951)
柴田 泰邦 首都大学東京, システムデザイン研究科, 助教 (10305419)
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Keywords | ライダー / 気温プロファイル / 原子フィルター / 赤道大気 / 境界層 |
Research Abstract |
地表面から境界層までの温度は、ラジオゾンデ以外のレーダー、RASS等では測定できない領域であり、ライダーによって初めて、高分解能の連続観測が可能になる。このようなライダー装置は世界でも限られており、赤道域での観測は未だ行われていない。本研究では、原子ブロッキングフィルターを新たに製作し、これを現在あるインドネシアのライダー観測施設にあるチタンサファイアレーザーと組み合わせて、地表面付近から境界層までの気温を昼夜観測できる回転ラマンライダー装置を構築し、定常的な垂直気温構造の観測を行い、赤道対流活動の詳細な解析を試みることを目的としている。当該年度は以下の成果を得た。1.本研究の要である原子フィルターの最適なセル長、セル温度について、Na原子フィルター設計に用いたプログラムを改良したプログラムによりシミュレーションを行い設計し、カリウム原子セル、温度コントローラー等からなる原子フィルターを製作した。製作したフィルターのブロッキング特性、透過特性等を既存のチタンサファイアレーザー、波長計、パワーメータ等を用いて測定しシミュレーション結果と比較し、良い一致を得た。当初計画では原子フィルターと回転ラマン方式を併用する計画であったが、この実験結果から、原子フィルターのみでも十分な気温測定精度が得られることがわかり、より簡易な方法を採用することとした。2.インドネシア・コトタバンに設置した高機能ライダーの共鳴散乱ライダーに用いているチタンサファイアレーザーについて、現地に出張し状況を確認した。その結果、UPS用バッテリー、フラッシュランプ等の交換が必要であることが明らかとなり、これらのメンテナンスを行った。次年度以降このレーザーと原子フィルターを用いた気温観測ライダーの構築を行う。
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