2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540474
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北井 礼三郎 Kyoto University, 理学研究科, 准教授 (40169850)
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Keywords | 太陽 / 太陽風 / 太陽プラージュ / 彩層ジェット / 磁気再結合 |
Research Abstract |
本研究費補助により今年度は以下の研究を行った。(1)活動領域からコロナへ噴出するジェット現象であるサージについて多波長観測データを解析し、その起源が彩層上部の磁気再結合であることを示した。この成果は、日本天文学会欧文報告に受理されて現在印刷中である。(2)活動領域周辺のプラージュ域でのジェット現象であるSpiculeを「ひので」衛星観測データを用いてその運動学的性質を明らかにし、理論シミュレーション結果と符合していることを見出した。この結果は、日本天文学会欧文報告に受理されて現在印刷中である。(3)「ひので」衛星観測と飛騨天文台ドームレス太陽望遠鏡分光データの解析により、活動領域彩層内のジェット現象であるエラーマンボムの電磁流体学的性質を明らかにし、磁気キャンセリング領域での磁気再結合がその起源であることを明らかにした。この成果は、日本天文学会欧文報告に受理されて現在印刷中である。 (4)飛騨天文台ドームレス太陽望遠鏡における太陽リムでのSpiculeのHα輝線スペクトルを詳細解析し、その分光学的諸量(シフト、線幅)の統計解析を行った。Spicule輝線が2種類に分類される結果を得て、Spicule単体での温度、乱流速度および幾何学的分布から解釈をおこなった。従来提案されてきた乱流速度や波動によるものだけでは、Hα輝線の幅は説明ができないことを見出した。この成果は、日本天文学会欧文報告に受理され、現在印刷中である。(5)太陽磁気活動の源である黒点の内部微細構造を「ひので」観測により明らかにした。その統計的な解析により、磁気対流現象であることを確定する成果であった。2編の論文を日本天文学会欧文報告書及び米国天体物理雑誌に出版した。
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