2008 Fiscal Year Annual Research Report
テアリング不安定による磁気島が磁気流体スケールのプラズモイドへ成長する過程の研究
Project/Area Number |
19540476
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
篠原 育 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 准教授 (20301723)
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Keywords | 磁気リコネクション / テアリング不安定 / プラズマ粒子シミュレーション |
Research Abstract |
平成19年度に引き続き、PIC法による電磁粒子プラズマシミュレーションコードを用い、電流層中のテアリング不安定の結果生じる最小波長の磁気島が複数個発生できる空間規模の計算を行った。テアリング不安定によって複数の磁気島が発生した場合、テアリング不安定に引き続き磁気島の融合不安定を通してMHDスケールへ急速に発達していくことが予想できるが、融合不安定を粒子シミュレーションで扱うことはこれまでに例を見なかったたものである。 平成20年度には2次元計算により磁気島16個までの融合不安定のシミュレーション計算結果の解析を行う一方、これまでの8個以下の磁気島の融合計算結果との比較を行い、より大スケールに発達する様子を調べた。小スケールの磁気島融合のケースと大スケールの磁気島融合の差から、磁気島合体時における電子加速過程にいくつかの段階があることを明確に示すことに成功した。即ち(1)X-line近傍においてトランジェントに発生する大きな電場による加速(2)磁場パイルアップ領域における非断熱的な運動による加速(3)磁気島合体領域における新たな磁気再結合プロセスによる加速(4)収縮する磁気島内を高速に行き来することによるフェルミ加速、の4プロセスである。磁気島融合に伴う電子加速過程が、磁気リコネクションに伴う電子加速現象に大きく寄与している可能性を示す重要な結果であると考えられる。 本研究計画期間中には、シミュレーション系を開放系にすることで、閉じた周期系境界による効果を評価を開始しているが、開放系での計算については磁気中性線の移動などの面白い結果が得られつつあり、引き続き今後の研究課題として研究を継続する。
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