2007 Fiscal Year Annual Research Report
琵琶湖周辺域における高分解能気候・水収支変遷史解明
Project/Area Number |
19540483
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
井内 美郎 Waseda University, 人間科学学術院, 教授 (00294786)
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Keywords | 環境 / 変遷史 / 水収支 / 湖沼 / 琵琶湖 |
Research Abstract |
本研究では、音波探査記録や堆積物含砂率に示される湖水面高度変化の情報と堆積物の生物源シリカ濃度に示される年間平均気温の情報を明らかにし、気候変化と水収支の対応関係を明らかにすることを目的とする。モデルフィールドを琵琶湖に設定し、既存のボーリング試料と音波探査記録について、これまでより高時間分解能で解析を行う。 前課題で問題となったことのひとつが、琵琶湖内4地点で採取された試料の分析最適条件(生物源シリカ濃度測定の際の試薬濃度や生物源シリカの溶解時間など)の設定であった。19年度は改めて分析の最適条件を設定するための予備的実験を行った。珪藻殻の溶解状態を確認するために、一定時間毎に溶液中の懸濁粒子のスメアスライドを作成し、検鏡した。その結果、90分で珪藻殻が消失することを確認した。 高分解能での分析を前提とした分析試料作成のため、古地磁気試料ケースに保存されている試料について試料採取間隔をあげたサンプリングを行った。19年度は上部20m分の試料について、細心の注意を払ってサンプリング(1cm間隔または5mm間隔)を完了させ、その一部について生物源シリカ濃度測定を開始した(5cm間隔)。 ユニヴーム音波探査記録の解析を更に進め、反射面を構成する広域テフラを鍵層とした湖水面高度復元を行った。これまでの関連研究の成果は、2つの査読論文として発表された。
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