2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540487
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
重松 紀生 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 地質情報研究部門, 主任研究員 (80308163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 光一郎 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (80181395)
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Keywords | 地殻 / 岩石のレオロジー / 細粒長石 / 脆性-塑性遷移 / 岩石変形実験 |
Research Abstract |
平成19年度は,平成20年度以降に行う実験の準備期間として位置づけられる.このため,実験で再現すべき現象の性情把握として,天然の脆性-塑性遷移条件付近で変形した断層岩について,走査型電子顕微鏡後方散乱電子線回折法(SEM-EBSD)による結晶定向配列(CPO)の解析,および透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行うこと,各種実験装置の作成および,カリ長石焼結体の合成が予定されていた.しかしながら,研究を進める上でいくつか困難もあった. 天然の断層岩のSEM-EBSDによる解析により,細粒カリ長石の(001)面が面構造に近く[100]軸が線構造方向を向くCPOが見出された.またTEM観察では細粒カリ長石集合体内での転位と再結晶の活動が明らかになった.なお研究代表者が既に行った斜長石の場合,CPOを持たないので,この点でカリ長石と斜長石は異なるようである.ただし,長石のような対称性の悪い鉱物のSEM-EBSD方位解析は時間がかかり,1試料のみの結果しか得られていない.今後,カリ長石のCPOの結果が一般的であるのか他試料でも検証する必要がある 平成19年度はこのほか,カリ長石焼結体合成に必要なカリ長石微細粉末の準備,実験装置の部品の作成を行った.焼結体合成のためには,今後二次粒子の除去と冷間等方圧縮の後,熱間等方圧縮装置による焼結が必要である.なお交付申請書では,カリ長石焼結体合成に冷間等方圧縮用の装置が必要とあったが,既に産総研内にあることがわかったので購入しなかった. 部品としては今後800℃までの高温で実験を行うためのヒーター,平成21年度予定の高歪量実験で用いる専用アルミナピストンの用意を行った.一方,産細内で使用予定の実験装置の一部部品に支障があることがわかったので,この修理をおこなった.
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Research Products
(1 results)