2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540490
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中森 亨 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 准教授 (00192229)
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Keywords | 造礁サンゴ群集 / 亜熱帯 / 温帯 / サンゴ礁地形 / 全炭酸 / 全アルカリ度 / 水温 / 種多様性 |
Research Abstract |
平成19年度 沖縄県石垣島と高知県大月町で現生造礁サンゴ群集のシュノーケリングによる観察と写真撮影を行い, そこに生息する造礁サンゴのリストを作成した. それを基に亜熱帯群集と温帯群集の多様性や現存量がどのような原理に従って決定されるかについて考察した. その結果, ある生息域における種の侵入速度と死滅速度が重要であることが判明した. 同じ海域において海水を採取し, 東北大学大学院理学研究科で海水の全炭酸と全アルカリ度を求めた. また, 同時に水温と光量子フラックスを測定した. 平成20年度 沖縄県石垣島, 鹿児島県喜界島, 高知県大月町で現生造礁サンゴ群集のシュノーケリングによる観察と写真撮影を行った. それらから現在亜熱帯海域群集の状態は徐々に悪化しているのに対して, 温帯域では群集の多様性と被覆面積が急速に拡大していることが判明した. 同じ海域において, 海水を採取し, 海水の全炭酸, 全アルカリ度, 水温, 光量子フラックスを測定し, 群集の分布が主に海水の化学成分と関連している可能性があることが明らかとなった. 温帯域における群集の発展は, 地球温暖化に由来する海水温の上昇が主な原因と考えられる. 今後, 高知県南岸の沿岸部でサンゴ礁が形成される可能性が有る.
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