2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540500
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
木村 眞 Ibaraki University, 理学部, 教授 (20142226)
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Keywords | 隕石 / コンドライト / コンドルール / 年代学 / 高圧鉱物 |
Research Abstract |
本年度は非平衡コンドライト中に含まれる金属鉄を中心に研究を行った。金属鉄はきわめて熱変成作用に敏感で、コンドライトの分類にもっとも有用な鉱物であることが明らかになった。これは従来の分類体系を見直す必要のあることを提起するものであった。得られた成果は国際隕石学会誌に投稿し、受理された(印刷中)。なお、さらに別の種類の隕石にもこの方法を適用する研究を続行中である。 また、高度の衝撃変成作用を被ったL6コンドライトからケイ酸塩ペロブスカイト起源と考えられる、ガラスを発見した。この研究は続行中であるが、成果の一部はアリゾナで開かれた国際隕石学会で発表した。また、この種の隕石の試料をアリゾナ大学の研究者と年代を決定すべく、研究を始めたところである。 さらに、非平衝コンドライトのコンドルールの年代や形成過程を検討するために、ウィスコンシン大学及びNASAの研究者と共同研究を開始した。具体的にはもっとも熱変成作用の程度の低い、Hコンドライトを選び、その中に含まれるコンドルールの化学組成、鉱物組成を詳細に調べた。これらの試料はウィスコンシン大学に送り、酸素同位体の測定が行われた。その結果、従来考えられていたより、多くの残存結晶がコンドルールには含まれていることが明らかになった。これはコンドルールの成因を考える上で重要な知見となった。成果は国際隕石学会で発表した。さらに年代測定を行う準備をしているところである。
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Research Products
(5 results)