2007 Fiscal Year Annual Research Report
岩石-水系の高圧高温下における弾性波速度と活断層型地震震源近傍の含水量モデル
Project/Area Number |
19540502
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
石川 正弘 Yokohama National University, 大学院・環境情報研究院, 准教授 (70232270)
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Keywords | 弾性波速度 / 高温高圧 / 地震波速度 |
Research Abstract |
本研究課題では、含水条件で岩石の弾性波速度を精密に測定することによって,温度およびH20フルイドと速度低下率との関係を検討することを目的としている。19年度には、まず、含水条件における岩石の弾性波速度測定が可能な装置の立ち上げに取り組んだ。具体的には、受信パルス強度の増加へ向けて高圧セルのバッファーロッドおよび岩石封入用カプセルの加工法を改善し、加えて、振動素子近傍の設計を変更した。これにより従来のパルス強度と比較し、縦波に関しては数倍〜10倍程度の受信パルス強度を得ることができるようになった。また、受信パルスにおけるノイズ源の特定およびその低減へ向けた高圧セル設計の改良を行なった。次に、新規導入した任意波形発生装置を用いることにより、従来と比べ数倍の大きさの入カパルスを発生することが可能となった。 次に、上記の装置を用いて、島弧地殻の主要構成鉱物の一つである石英に着目し,石英-H20系のP波速度を圧力0.1GPa-0.6GPa,温度20-500℃の条件下で測定した。その結果,約1.0wt%の含水率で約4%速度低下すること,さらに,1.0wt%以上の含水率で急激に速度低下率が大きくなり,約1.5wt%の含水条件で約10-12%速度低下することを明らかになった.実験試料のSEM観察および超高倍率顕微鏡による観察を行った結果,速度低下率が結晶粒間および結晶中の流体包有物の分布形態に対応していることが明らかとなった.
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