2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540506
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北村 雅夫 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (70004489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 亮 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10324609)
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Keywords | 結晶成長 / 造岩鉱物 / 成長組成累帯構造 |
Research Abstract |
理論的研究では、すでに提唱した新しい理論を基礎として、統計力学的立場から結晶成長による形や化学組成の変動に関する一般的な場合への理論の拡張を、北村を中心として行った。提唱した理論(Kitamura and Matsumoto, 2004)は、2成分系において、2成分固溶体結晶がそのメルトから成長する場合である。天然の鉱物に適用するためには、多成分系からの2成分固溶体の成長に理論を拡張する必要がある。本年度は多成分系の格子溶液モデルの構築を始めた。また緑泥石-ガーネットの反応などの場合のように鉱物間に存在するfluidを通しての物質輸送には非平衡熱力学的取り扱いを始めた。 既に提唱した理論の一部を拡張した理論を用いて、岩石の温度・圧力変化に伴う、成長組成累帯構造の数値計算を行った。また、温度・圧力を変化させた場合の成長組成累帯構造の数値計算も行った。温度・圧力変化による計算では、(1)その加速度を変える、(2)元素(分配係数)を変える、(3)元素濃度を変える、という事に留意して進めた。その結果、予想以上に核形成のタイミングの影響が大きく、今後、核形成の生じるタイミングと成長組成累帯構造変化の両者を兼ね合わせた理論の構築が必要であるという結論に達した。 数値計算した成長組成累帯構造の特徴を、温度・圧力変化における加速度と対応させて整理を始めた。 天然の斜長石とガーネットの成長組成累帯構造の特徴と、理論による成長組成累帯構造の特徴を比較し、天然における温度・圧力変化における加速度の推定を開始した。
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Research Products
(5 results)