2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540506
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北村 雅夫 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (70004489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 亮 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10324609)
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Keywords | 鉱物組織 / 結晶成長 / 地球惑星物質 / 組成累帯構造 / 統計力学的描像 |
Research Abstract |
地球惑星物質の履歴の解読では未知の条件下で形成した組織からその生成環境を逆に推定を行うため、どのように組織が形成されるかについての理論が必要不可欠である。本研究では、統計物理学的観点から地球や隕石を構成する造岩鉱物の組織形成過程の統計物理学的描像の構築を目指す。特に鉱物の成長に伴う組織形成過程を集中的に取り扱う。さらに構築する統計物理学的描像に基づいた地球惑星物質科学の新しい教育を行うことを目的としている。 本年度は、以下のような研究を行なった。(1)昨年度に引き続き、温度・圧力を変化させた場合の成長組成累帯構造の統計力学的描像に基づいた数値計算を行った。温度・圧力変化による計算では、(1)その加速度を変える、(2)元素(分配係数)を変える、(3)元素濃度を変える、という事に留意して進め、成長組成累帯構造の特徴を把握した。その結果、三波川変成岩中のガーネットの成長組成累帯構造から推定した温度・圧力変化における加速度から、プレートの沈み込みが一時停止した可能性があることが分かった。(2)成長組成累帯構造の理論に方位依存性を加えセクター構造の統計力学的解析を行った。その結果やモンテカルロシミュレーションの結果および天然の輝石中のセクター構造の研究結果から、成長組成累帯構造形成にキンクサイト近傍での母相との直接的な原子の脱着が大きな役割を果たしていることが明らかとなり、理論の高次化を図った。さらに、これらの研究成果を生かし統計物理学的描像に基づいた地球惑星物質科学の大学院教育を行った。
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Research Products
(4 results)