2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540506
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北村 雅夫 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (70004489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 亮 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10324609)
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Keywords | 鉱物 / 結晶成長 / 累帯構造 / 元素分配 |
Research Abstract |
平成21年度は、以下のような研究を行った。 (1)成長組成累帯構造の統計力学的描像の構築:温度・圧力を変化させた場合、特にその加速度、元素(分配係数)、元素濃度を変えの成長組成累帯構造の数値計算を行なった。これらの計算結果と斜長石とガーネットの成長組成累帯構造の特徴と比較し、天然における温度・圧力変化における加速度変化の推定を行こなつた。その代表的な結果ば、三波川変成岩中に産するガーネットの逆累帯構造は、温度・圧力変化に比べて遅れた核形成によって形成されたことが示唆され、初めて広域変成岩作用中での接触変成作用の存在が推定できたことである。 (2)他の組織形成過程に関する統計力学的描像の構築:成長組成累帯構造に関する理論に結晶方位依存性を置くことで、セクター構造の統計力学的解析を行なった。その結果、非平衡な成長過程ではセクター構造と逆累帯構造がオーバーラップしている可能性が高いことを見出した。この結果と輝石などの累帯構造の特徴を比較し、理論的な予測の正当性を見出した。 (3)結晶の成長の伴う組織の全体像の構築:(1)と(2)の研究を統合して、天然での結晶化過程での元素分配の微視的描増を得ることが出来た。しかしながら、未だに理論が確立していない振動成長については一般的な解は得られなかったが、不純物のある特殊な場合に振動するという結果を得た。 最終年度であるため上記の研究のまとめを行い学会講演等で発表すると共に論文化を行った。
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