2007 Fiscal Year Annual Research Report
高塩濃度・高二酸化炭素濃度地殻流体の起源と同流体の状態および誘電率の解析
Project/Area Number |
19540508
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
星野 健一 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 助教 (80190198)
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Keywords | 鉱物資源 / 水-岩石相互作用 / 地殻流体 / 状態方程式 / 誘電率 |
Research Abstract |
本年度は、高温型変成作用に伴う地殻流体の把握と、流体の状態方程式を求める目的のため、以下の研究を実施した。 1.山口県柳井地方および長野県北部木曽地方の領家変成帯の調査および試料採集。 2.同変成帯中の石英脈と泥質片岩中の流体・固相包有物および炭質物のラマン測定。 3.上記2の結果から、炭質物のラマンシフトを用いた地質温度計は、変成流体の温度推定に極めて有効であり、尚且つ変成鉱物相により示される変成温度より、短期間の熱履歴を詳細に記録していることが示された。 4.柳井地方領家変成帯の炭質物のラマン分析結果から、同地方では後退変成期に最高変成温度より高温の二酸化炭素に富む流体が浸透したことが示された。 5.以上の結果をまとめ、次ページに記す学会発表を行い、また、論文として発表した。 6.ペルー国パルカ鉱山のベルリンおよびクレブラ鉱床の関係火成岩中の流体包有物の観察から、塩と二酸化炭素に富む流体を見出した。 7.水-塩-二酸化炭素系地殻流体の状態方程式を求めるため、東北大にて水単成分の予察的な高温・高圧実験を行った。 8.高温の水-塩-二酸化炭素系流体の誘電率を、石英の飽和度から見積もるアルゴリズムを開発し 地震予知研究集会で発表した。 以上の成果を踏まえて、次年度では、深成岩の固結に関連したマグマ性の高塩濃度・高二酸化炭素濃度流体の分析、水-塩系流体の高温・高圧実験および同系の誘電率の解析を進める予定である。
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Research Products
(3 results)