2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540511
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
山口 亮 National Institute of Polar Research, 研究教育系, 助教 (70321560)
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Keywords | エコンドライト / 鉱物学 / 宇宙化学 / 微惑星 |
Research Abstract |
ユークライトは全岩化学組成から三つ化学グループに分けられる。MG-NVトレンドは、マグマ大洋の結晶分化から推定されるトレンドと一致する。しかし、STトレンドの成因および残渣ユークライトの組成は、このマグマ大洋モデルでは説明できなかった。このSTトレンドは、高温変成作用によりユークライト地殻が数パーセント程度の部分溶融を起こし、その溶融液がMGタイプのマグマを汚染したためにできた可能性が高いことを示した。さらに、新たな化学グループ(残渣ユークライト)を見いだした。熱史とバルク組成の考察から、この残渣ユークライトは、熱変成作用中の部分溶融を経験し、溶融液が取り去られた可能性が高いことがわかった。つまり、残渣ユークライトは化学的にSTトレンドと対照的なものである。ホワルダイト中にカリウムに富む岩石片やガラスを発見した。これらの破片は、ベスタの地殻の岩石タイプがもっと多様であることを示す。鉱物組成やバルク組成から、ダイオジェナイトの母マグマが数種あることをしめした。母マグマのうち一つは、マグマ大洋で集積したマフィックに富む層が再溶融して形成した可能性が高い。引き続き、月の裏側起源の斜長岩質角礫岩(Y-86032)の岩石学的研究を行った。この中から、Na含有量が高いにもかかわらず希土類元素含有量が極めて低い斜長岩を発見した。この斜長岩は、一般的な月の斜長岩(Ferroan Anorthosite)の母マグマと異なるマグマから晶出したのだろう。月の斜長岩は、これまで知られているよりも多様である可能性が高いことを示す。
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Research Products
(3 results)