2009 Fiscal Year Annual Research Report
ECRIS-MSを用いた、始源的物質を含む隕石試料の多元素同位体分析
Project/Area Number |
19540515
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
高橋 和也 The Institute of Physical and Chemical Research, R1応用チーム, 専任研究員 (70221356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木寺 正憲 独立行政法人理化学研究所, イオン源開発チーム, 仁科センター研究員 (60360533)
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Keywords | ECRIS-MS / 同位体測定 / 元素合成過程 / 微量元素分析 / 隕石 / 多元素同時分析 |
Research Abstract |
本研究の目的は、様々な元素に対して高効率でのイオン化が可能なECR(電子サイクロトロン共鳴)イオン源-質量分析装置(ECRIS-MS)を用いて、始源的物質を含む隕石の微小組織の同位体分析を系統的(具体的には希ガス、Mg、Si、Ti、等の比較的軽い元素から、Zr、Mo、等の中質量域、さらに白金属、希土類元素など比較的重質量域に至る元素)に行い、元素の同位体変動の相互の相関性の有無を検証し、物質の起源、元素合成過程に関する解析を行うことである。そのために、ECRIS-MS装置の改良を行い、測定感度と精度を必要な仕様にする必要がある。ECRIS-MS本体は試作器として既に、本研究開始時には制作し、昨年度までに希ガス(KrやXe等)試料を用いて、多価イオン分布を利用しての複数の元素の複数の同時同位体測定を試み、その有効性を実証したところである。平成21年度においては、金属試料に応用するため、スパッタリング装置をイオン源に装着し、このシステムを用いて、鉄隕石を想定した試料にたいしてMoなどの微量元素の同位体測定を試みた。具体的には、Moを2%程度含むSUS試料をイオン源に挿入し、ArでECRプラズマを調整、スパッタリングにかけ、イオン化されて出てきたMoイオンの質量分析を行った。その結果、30分程度の測定で0.5%の精度で同位体比を求めることが出来た。同位体比の値そのものについては、標準値と数%程度異なるが、妨害イオンの補正、バックグラウンドの吟味により、確度的に問題ないことが確認できた。
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Research Products
(2 results)