2007 Fiscal Year Annual Research Report
炭素クラスターのアーク合成におけるクラスター径と密度の空間分布測定
Project/Area Number |
19540518
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
三重野 哲 Shizuoka University, 理学部, 教授 (50173993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白谷 正治 九州大学, システム情報科学研究, 教授 (90206293)
薄葉 州 産業技術総合研究所, 第5事業所, 主任研究員 (90160259)
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Keywords | 炭素クラスター / アーク放電 / ミー散乱計測 / 冷却合成過程 / 拡散と融合 / ナノチューブ合成 / 微粒子空間計測 / 微粒子コレクター |
Research Abstract |
フラーレン,ナノチューブなどの炭素クラスターがアーク放電法により合成されるが,合成過程の解明と合成の制御法開発が必要である。アークプラズマ中で昇華した炭素原子は,Heガス中の多衝突条件で冷却する過程にて分子凝集を起こし,さまざまな炭素クラスターになる。この合成過程をその場測定する方法として,能動的ミー散乱法を導入し,合成クラスターのサイズと密度の空間分布測定を試みた。垂直上方に入射したグリーンレーザー光が炭素クラスターにて散乱する光を前方(15°)と垂直(90°)で同時に検出し,ロックイン法で時間平均処理した。ここにシャープカット、バンドパスフィルターを用いた。この方法により,アークプラズマ上方1点からの散乱光の強度と両者の比の時間変化を記録することができた。また,測定点,時間,圧力,放電電流などに依存した信号変化を記録することに成功した。現在,古典的電磁波散乱理論より,強度比から粒子サイズと密度を計算中である。一方,微粒子コレクター列をアークプラズマ側面に置き,プラズマから拡散してくる微粒子を空間分解して捕集した。ラマン分析より,アークプラズマ上方でナノチューブが成長し,飽和する様子を捉えることができた。散乱データを比較検討中である。これらの実験はジェット機を用いた無重力実験シリーズ(日本宇宙フォーラム支援)においても行われた。そして,重力に依存した大きな差を得ることができた。クラスター形成過程はアークプラズマ上方の対流(冷却過程)に強く依存している。
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Research Products
(8 results)