2007 Fiscal Year Annual Research Report
イオントラップ中冷却イオンの相転移近傍における統計力学的諸量の測定
Project/Area Number |
19540519
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
荒巻 光利 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 助教 (50335072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 明廣 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40093025)
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Keywords | イオントラップ / レーザー冷却 / 強結合プラズマ / 非平衡統計物理 / プラズマ物理 / ビーム物理 / 一成分プラズマ / 非中性プラズマ |
Research Abstract |
イオントラップとは、電磁場を用いてイオンを閉じ込める装置のことである。この装置による閉じ込めは、イオンと外界との相互作用が小さく、閉じ込め時間が非常に長いといった特徴がある。この特徴を活かし、イオンのみからなる一成分プラズマを、外部から入射されるレーザーと長時間相互作用させてレーザー冷却し、強結合プラズマを生成することが可能である。強結合プラズマ状態とは、イオン間のクーロンエネルギーが熱エネルギーを上回った状態で、このような粒子間の相関が強い系の統計力学的な物性には未解明な部分も多い。本研究は、強結合プラズマの統計力学的な物性を明らかにすることを目的としている。今年度は、レーザー冷却されたイオンの温度を安定化し、系統的な実験を可能とするため、冷却用レーザーの周波数安定化を行った。その結果、外部共振器からの光フィードバックを利用して、短期の周波数揺らぎの幅を6MHzに抑制するとともに、ファブリーペロー干渉計の干渉縞を電気的フィードバックで安定化することで長期の周波数ドリフトを、10kHz/minへと抑えることに成功した。また、従来のドップラーLIF法を用いて、レーザー冷却されたプラズマを観測した場合、観測による擾乱を無視することが出来ないため、低擾乱な観測法として強度変調したプローブレーザーによる観測法を考案し、その基本システムとなるSHGレーザーシステム、強度変調に対応した光子計数LIFシステムを構築した。来年度は、プローブレーザーによる観測系を現システムに組み込み、冷却プラズマの低擾乱観測実験を開始する予定である。
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Research Products
(6 results)