2007 Fiscal Year Annual Research Report
MEG検出器のパイ中間子ビームを用いた較正方法の開発研究
Project/Area Number |
19549002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩本 敏幸 The University of Tokyo, 素粒子物理国際研究センター, 助教 (20376700)
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Keywords | 素粒子実験 / 国際共同実験 / ミュー粒子 / 超対称性 / パイ中間子 / 液体キセノン / 大統一理論 |
Research Abstract |
本年度は液体キセノン検出器を含む全ての検出器が揃い、少しではあるが物理データの取得が行われた。また、液体キセノン検出器の絶対エネルギー較正用として、液体水素ターゲットを使用したπ^p->π^0n反応からのガンマ線を利用した較正実験も行われた。この較正の主な目的は信号に近い55MeVの単一エネルギーガンマ線を検出しての絶対エネルギー較正、エネルギー分解能の見積もり、レスポンスファンクションの取得にあった。検出器の準備に多少遅れが生じたため、ビームタイムの最後3日間この較正が行われた。ガンマ線入射位置の、ある限られた領域についてではあるが、この較正方法による分解能の見積もり等の手法は確認された。 このときに、実際に液体キセノン検出器の位置分解能を測定するために小さい孔を何か所か開けてある鉛のコリメータを超伝導電磁石と液体キセノン検出器の間に設置し、データを取得した。この事象に関して位置再構成を行い、分解能を見積もることに成功した。今回は少ない時間のなか、ある一部分のみテストする鉛を製作し試験したが、今後は全体を速やかにスキャンする手法を整える。 本研究を行うために液体キセノン検出器と反対側に設置したNaI検出器のコインシデンスをトリガーに用いたが、液体キセノン側で効率的に正反対の方向に出たガンマ線を検出するようにトリガーの改良を行い、解析の効率を上げることにも成功した。 なお、本年度は3日間という時間を、本来の目的の達成のために費やしたため、実際にコンバーターを設置する時間が取れなかった。その代わり、液体キセノン検出器と陽電子スペクトロメーターの同時較正を目的とする本方法は、来年度の実現を目指してトリガー条件の洗い出し、ソフトウェアの整備を行った。
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