2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19549004
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
勝木 厚成 Nihon University, 理工学部, 助手 (40453914)
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Keywords | 三日月型砂丘 / 非線形動力学 |
Research Abstract |
地形の代表的なものである砂と風の相互作用で形成される砂丘は利用可能な砂量と風方向によって様々な形態をとることが知られている。風の方向が1方向で砂量が少ないときにはバルハンという三日月型砂丘ができ、砂量が多いときには横列砂丘ができる。風が2方向のときには縦型砂丘、3方向以上では星形砂丘ができる。そこで、風方向や砂量を変化させるとこによる砂丘形態の変化過程を数値計算で調べた。数理模型としては砂が風によってとばされるサルテーションとアバランチだけを考慮したセル模型を用いた。まず4つの砂丘形態の形成条件を調べ野外観察の結果と比較した。次に砂丘の環境条件を変えることによって現れる砂丘形態を調べた。特徴的なものとして、縦型砂丘からバルハンへと風の方向を変化させたときの変形過程には、風上側が半円状で風下方向には一つの角をもつ涙型砂丘や、縦型砂丘に3方向の風を加えることで観測される縦型砂丘に多数の刃がついたノコギリ型砂丘が観測された。また一度バルハンが形成されたあとに、風向きを反対方向にすることによりハート型の砂丘が一時的に形成されることもわかってきた。これらの砂丘のいくつかは火星上でも観測されており火星での気象環境の変化によって形成されたものであることがわかるさらに風の強弱の組み合わせによっても砂丘形態は変化することがわかり、これは砂丘形態の決定には砂量と風方向だけでは不十分であることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)