2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19550013
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
山田 千樫 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 教授 (70037266)
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Keywords | 多価イオン / オージェ電子 / X線発光 / 固体表面 / プラズモン / 微粒子 |
Research Abstract |
多価イオンと固体表面との相互作用において,多価イオンのポテンシャルエネルギーがどのように散逸するかが,本研究の基本テーマである.特に固体表面からの発光現象について定量的に検討することを具体的な目標とした.成果として多価イオン照射にともなう有機結晶薄膜からの紫外発光を観測しX線放出強度との相関を観測し,そのメカニズムを解明した.2次電子による間接的励起課程がその本質である。タングステン清浄表面に多価イオンを照射した際のX線発光を観測した.多価イオンの内部エネルギーがオージェ電子とフォトン発生(X線)に振り分けられるとすると,多価イオンのK殻に空孔がある時にはそれは完全にX線放出によって埋められること,M殻に孔がある時には中性原子にくらべてかなり大きな収率でやはりX線による穴埋めが起こることを定量的観測により見いだした.水素化シリコン表面に多価イオンを照射すると水素原子のライマン線およびバルマー線が光ることを発見し、水素分子の形成がその課程に含まれなければならないとの結論に達した.シリコン基板上に生成した銀微粒子(直径20〜100nm)への多価イオン照射により,微粒子中にプラズモンを励起させその発光を観測すべく,準備を進めた.銀微粒子作製,通常のフォとルミネッセンスによる発光の確認までは進展した.多価イオンによる発光はいままで試みた限りでは,見いだすことができていない.今後は計測法を改善するなどして発光の確認をしたい.
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Research Products
(7 results)