2008 Fiscal Year Annual Research Report
固体円二色性および固体NMR測定によるキラルな固体試料の立体構造解析法の開発
Project/Area Number |
19550014
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
前田 史郎 University of Fukui, 工学研究科, 准教授 (70209378)
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Keywords | ポリ(ε-L-リジン) / ポリ(γ-グルタミン酸) / 固体高分解能NMR / 固体円二色性 / 構造解析 |
Research Abstract |
本研究の目的は、固体円二色性(CD)測定と固体高分解能核磁気共鳴(NMR)測定を組み合わせ、同位体ラベルしないキラルな固体試料の立体構造解析の方法を確立することであった。固体CD測定の目的は、固体状態における多結晶粉末あるいはフィルム状のポリアミノ酸の高次構造の決定である。これらの試料を用いてα-ヘリックス、β-シート、あるいはランダムコイルなのかを決定することができれば非常に有効な分子構造解析手段となる。天然に存在する2種類のポリ(アミノ酸)ホモポリマーの1つであるポリ(γ-グルタミン酸)(PGA)の様々なpHの水溶液から作成したキャストフィルムの^<13>C固体NMR測定を行い高次構造のpH依存性の解明を試みた。スペクトル線形はpHに依存しており、pKa(2。3)付近よりも低いpHの水溶液から作成したPGAナトリウム塩キャストフィルムのスペクトルはPGAのスペクトルとほぼ一致した。また、pHに依存した主鎖脂肪族炭素ピークのシフトが観測された。このことは主鎖コンフォメーションの変化が生じていることを示唆している。吸収スペクトルの極大波長が紫外領域にあり使用したCD分光計の測定範囲を超えたために固体CD測定はできなかった。そのため、固体NMRと固体CD測定による高次構造の決定は今後の課題として残っている。しかし、IR測定でも固体NMR測定結果と一致するスペクトルのpH依存性が観測されており、固体CD測定によって高次構造が明らかとなることが期待される。
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