2007 Fiscal Year Annual Research Report
常温イオン液体を吸着剤とした分子性液体の吸着・吸収挙動と構造
Project/Area Number |
19550022
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
高椋 利幸 Saga University, 理工学部, 准教授 (70291838)
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Keywords | イオン液体 / 分子性液体 / 吸収状態 / イミダゾリウムイオン / 吸収熱 / 相互作用 / 不均一混合 / 小角中性子散乱 |
Research Abstract |
イミダゾリウム糸イオン液体の構造および水、メタノール、アセトニトリル、ベンゼンのイオン液体に対する吸収状態を分子レベルで解明することを目的とした。 イオン液体の構造に関する研究では、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムを陽イオンとしFSA^-ならびにTFSA^-を陰イオンとしたイオン液体中におけるイオン-イオン間相互作用をX線回折法およびRaman分光法により明らかにした。この研究においては、密度凡関数理論(DFT)計算や分子動力学(MD)シミュレーションを適用し計算化学的手法から実験データの裏付けを行った。陰イオンのコンフォメーション変化および陽イオン-陰イオン間の水素結合の有無を解明した。 イオン液体に対する分子性液体の吸収状態に関する研究では、まず、吸着天秤を用いてイミダゾリウム系イオン液体に対する分子性液体の吸収等温線を測定し、その温度変化から分子性液体の吸収熱を見積もった。いずれの分子性液体でも吸収熱はバルクにおける蒸発熱とほぼ等しく、イオン液体中で分子性液体が部分的にバルクに近い液体構造を形成して不均一に混合していることが考察された。このイオン液体と分子性液体の不均一混合は、イオン液体と重水素化分子性液体の混合溶液に対する小角中性子散乱測定を行うことにより実証できた。イオン液体に対する分子性液体の吸収状態は、分子性液体の水素結合性、双極子性、π電子性による陽・陰イオンとの相互作用の強さが大きく寄与していることを結論した。
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Research Products
(23 results)