2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19550023
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
圷 広樹 University of Hyogo, 大学院・物質理学研究科, 助教 (80316033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中辻 愼一 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 教授 (90124833)
圷 あかね 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 客員研究員 (10433327)
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Keywords | 有機伝導体 / 機能性有機材料 / 電子受容体 / ホールドープ / BEDT-TTF |
Research Abstract |
弱い電子受容性を示すアニオンを作製し、それを対イオンとするドナー・アニオン型有機伝導体を作製したときに、もし、この電子受容性アニオンがx(x<<1)分だけ電子を受け取れば、そのx分だけ伝導性ドナー層にホールがドープされることを期待し、本年度は新規アニオンおよびその伝導性錯体の開発を中心に行った。採択前に得られていたクロラニル(CA)誘導体アニオン(Cl_3C_6O_2NHCH_2SO_3^<->,1)の電子受容性は大変弱く(ΔE_1=E_1-E_1(CA)=-0.35V in PhCN)、その錯体中でドープ効果を確認することはできなかった。そこで19年度はアクセプター性の向上を目指し、置換基の異なるアニオンCl_3C_6O_2OCH_2CH_2SO_3^<->(2)およびCl_3C_6O_2SCH_2CH_2SO3^<->(3)の開発に成功した。これらのアニオンではアクセプター性の改善が見られた(ΔEi=-0.13Vfor2and-0.10Vfor3inCH_3CN)。しかし伝導性の期待できるドナーであるBEDT-TTFとの錯形成は今のところうまく行っていない。またCl_3C_6O_2SO_3^<->(4)の作製にも成功した。還元電位はやはり1よりも小さく(ΔE=-0.16V in ph CN)、アクセプター性の改善が見られた。このアニオンではBEDT-TTFとの錯体、α'''-(BEDT-TTF)_34_2を得ることができた。この錯体は良好な伝導性(ρ_RT=0.083Ω・cm)を示したものの半導体(E_a=0.032eV)であり、またESR測定などの結果、ドープ効果を確認することはできなかった。ホールドープの実現にはさらなるアクセプター性の改善が必要であると考えられ、20年度はアクセプター性のより高いアニオンの開発を目指す予定である。
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Research Products
(22 results)