2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19550023
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
圷 広樹 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 助教 (80316033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中辻 愼一 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 教授 (90124833)
圷 あかね 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 客員研究員 (10433327)
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Keywords | 有機伝導体 / 機能性有機材料 / 電子受容体 / ホールドープ / BEDT-TTF |
Research Abstract |
今までに様々な弱いアクセプター性を示すアニオン(AA)を作成し、有機ドナーと組み合わせた有機伝導体を作成してきた。これらから数種の伝導体を得ることができたが、しかしドナーからAAへの電子移動は今のところ確認できず、ホールドープ効果は実現できていなかった。この原因として、AAのアクセプター性が弱すぎることが考えられた。そこで22年度はより強いアクセプター性を示すAAの開発をした。平成20年度に開発に成功したアクセプター性が比較的高いジアニオン、N,N'-disulfo-1,4-benzoquinone diimine(1)の中央の六員環に電子供与性や電子求引性の置換基を導入した新しいAA、N,N'-disulfo-2-X_2-3-X_3-5-X_5-6-X_6-1,4-benzoquinone diimine[2:X_2=X_5=Cl;X_3=X_6=H,3:X_2=Cl;X_5=CH_3;X_3=X_6=H,4:X_2=X_5=CH_3;X_3=X_6=H,5:X_2=X_5=X_3=X_6=CH_3]の4種を新たに作成した。アクセプター性が高く、錯体ができればホールドープ効果の実現が期待できる。しかし残念ながらこれらAAの錯形成能が悪く、今のところ錯体を得るには至っていない。 また、これまでに得られた錯体は半導体か弱い金属で、高伝導性の錯体を得ることができていなかったので、今まで作成した中でもっとも小さいAAとして、2-sulfa-1,4-benzo-quinone(6)に注目し、BEDT-TTFと錯形成を行なったところ、(BEDT-TTF)26・H_2Oを得ることができ、90Kまで金属的挙動を示した。だが、このAAは今までで一番アクセプター性が弱く、このためか、この錯体中でもホールドープ効果は観測されなかった。
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Research Products
(18 results)