2007 Fiscal Year Annual Research Report
小分子の活性化を指向した新規ポリカルコゲノエーテル配位子の開発とその応用
Project/Area Number |
19550030
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
武田 亘弘 Gunma University, 大学院・工学研究科, 准教授 (80304731)
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Keywords | 合成化学 / 有機化学 / 有機金属化学 / 小分子の活性化 / 新規な配位子 / カルコゲニド / リン / 10族金属 |
Research Abstract |
本研究では,新規な配位子を有する遷移金属錯体の合成とその構造,反応性,触媒活性および小分子の活性化能の解明を目的として研究を行っている。本年度は新規な配位子である(o-RSC_6H_4)_2PCH_2CH_2P(o-C_6H_4SR)_2(R=i-Pr,t-Bu,CH_2SiMe_3)(1)の合成を検討した。現在のところ1の合成についてはその合成中間体である(o-RSC_6H_4)_2PH(R=i-Pr,t-Bu)(2)の合成に成功したところであるが,2の合成検討の際,副生成物として(o-RSC_6H_4)_3P(R=i-Pr,t-Bu)(3)を得た。3は1つのPと3つのSを有する3回対称軸を持つ四座配位子であり,三方両錐構造の1つのアクシアル位が空配座となった四配位錯体の合成に有用であると考えられる。このような錯体は反応活性であり,小分子を活性化できることが期待されるため,3を用いた10族金属錯体の合成について検討を行った。[PdCl_2(PhCN)_2]および[PtCl_2(cod)](cod=cyclooctadiene)との反応を検討したところ,いずれの場合にも^1H,^<31>PNMRにより対応する錯体の形成が示唆されたが,現在のところその詳細な構造決定には至っていない。今後は,引き続き配位子1の合成を検討するとともに,3と10族金属との錯体の構造決定とその活性錯体への誘導や3と他の遷移金属との錯体の合成について検討を行う予定である。
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