2008 Fiscal Year Annual Research Report
折れ曲がったπ系の重なりを利用した機能性化合物の創製
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19550031
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
幸本 重男 Chiba University, 大学院・工学研究科, 教授 (90195686)
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Keywords | フォルダマー / 芳香族化合物 / 蛍光 / エキシマー発光 / イオン間相互作用 / 両親媒性分子 / カラムナー / イオン液晶 |
Research Abstract |
複数の芳香族π系が結合部位により連結されてつづら折り状に連なった化合物である芳香族フォルダマーはπ系が折り重なるように接する特異な構造を有する。π平面の垂直方向を軸とするカラムナー構造が形成され、またジグザグ構造をとりながらラセン構造が構築される。本年度はカチオン一π相互作用を利用したS字型フォルダマーの創製を試みるとともに、イオン間相互作用を利用した非連結型の超分子型によりπ系の集合・積層化を溶液中、液晶状態で試み積層化による発光特性を検討した。また、イオン性超分子の積層化を検討するためにイオン性超分子カラムナー液晶の構築もあわせて行った。 1.カチオン-π相互作用を利用したS字型フォルダマーの創製:カチオン部位としてビリジニウム、塩を用い、リンカーでナフタレンと連結し溶媒極性に依存しS字型のフォルダマー構造をとる分子の構築を試みた。 2.イオン間相互作用を利用したコの字型芳香族化合物による蛍光ソルバトクロミックシステムの構築:分子中央部にアントラセン等の蛍光性芳香環を有し両末端に脂溶性アルキル鎖で修飾されたイミダゾリム等のイオン部位を導入した両親媒性化合物の蛍光の溶媒依存性を検討した。無極性有機溶媒中および水系の両極端の極性の溶媒中で集合体構造をとり芳香環同士の重なりによりエキシマ一発光が観測された。溶媒の極性を混合溶媒を用いることで変化させるとモノマー発光とエキシマ一発光を任意の割合で混合させることが可能であり、白色発光を含め発光色調を変化させることに成功した。またこの系はディスコチックカラムナー液晶性を示し、蛍光性液晶も創製することが可能である。
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