2008 Fiscal Year Annual Research Report
人工光合成逆ミセル集合体を用いた金属ナノ微粒子形成
Project/Area Number |
19550033
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
高橋 雅樹 Shizuoka University, 工学部, 助教 (30313935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川井 秀記 静岡大学, 電子工学研究所, 准教授 (80324341)
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Keywords | 逆ミセル集合体 / 人工光合成系 / ナノ微粒子 / 光捕集分子 / 自己組織化 |
Research Abstract |
本年度は、「金属ナノ微粒子合成」を中心に検討を行った。 昨年度の研究成果により明らかとなった、アントラセン-ペリレン連結分子を界面活性剤とした逆ミセル法による金ナノ粒子合成について、機構的詳細の検討を行った。まず、この界面活性剤分子と類似の構造を持つ3種の分子を新たに合成し、これらと四塩化金酸との複合化を試みた。その結果、ベンゼン-ナフタレン連結分子において先と同様に自発的な金ナノ粒子形成を確認することができたものの、ベンゼン-ペリレンおよびアントラセン-ナフタレン連結分子については、金ナノ粒子の形成が確認されなかった。これによって、ここで確認された自発的金ナノ粒子形成過程は、界面活性剤分子に対し基質依存性があることが明らかとなった。 次に、アントラセン-ペリレン連結分子を用い、金ナノ粒子形成反応に関する界面活性剤分子の濃度依存性について検討を行った。この結果、界面活性剤濃度が閾値を超して低濃度となった場合に金ナノ粒子が形成しないことが明らかとなり、界面活性剤の自己組織化による逆ミセル集合体の形成過程が金ナノ粒子形成には必須であることが示された。また、逆ミセル形成時の水添加量を変化させ形成する金ナノ粒子の大きさを調べたところ、この添加量に関係なく形成する金ナノ粒子の大きさはほぼ一定であることが明らかとなった。以上の研究成果から、当該研究で行った合成法が簡便な金属ナノ微粒子合成法であると同時に、有機色素と金属ナノ微粒子の複合化を可能とするユニークな手法であることが示された。
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Research Products
(7 results)