2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規円筒形パイ共役マクロサイクル類の創出と特性研究
Project/Area Number |
19550035
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
大北 雅一 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 准教授 (60211786)
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Keywords | 円筒形分子 / 超分子化学 / 有機パイ電子系 / マクロサイクル / 炭素豊富化合物 / Dewarベンゼン |
Research Abstract |
先に申請者は、オリゴ(Dewarベンゼン)型前駆体を活用したマクロサイクル類の合成法を開拓し、それが平面ベンゼン誘導体からは構築困難な歪んだパイ電子系環状構造の構築に対して高い潜在能力を持つことを示した。本研究では、以下の3点に着目して研究展開を図った。(1)種々の置換基を持つ[4_6]パラシクロファンドデカイン誘導体を合成し、この特異な円筒形パイ電子系の特性を解明する。(2)他の関連する円筒形パイ共役マクロサイクル類合成への適用を試み、Dewarベンゼンをビルディングブロックとする本方法論の有用性と適用限界を明らかにする。(3)トリス(Dewarベンゼン)型化合物を前駆体とした、未知の環状[9]パラフェニレンの合成法を開拓する。 課題(1)と(2)に関しては、ビルディングブロックである1,4-アセタール架橋-2,5-ジクロロDewarベンゼンの薗頭カップリングを用いて環状構造を持つオリゴ(Dewarベンゼン)型前駆体の調製を行ない、アセタール部分の脱保護の後、光反応条件下での芳香化を行なって目的としたいくつかの円筒形パイ共役マクロサイクル類の合成を行うことができた。一方、課題(3)に関しては、トリス(Dewarベンゼン)型前駆体の合成経路の探索に主力を傾倒したが、合成経路を確立するには至らなかった。1,4-アセタール架橋-2,5-ジクロロDewarベンゼンの鈴木カップリングを用いたマクロ環化など他の合成戦略を用いる必要があると考えられる。
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