2007 Fiscal Year Annual Research Report
高い電子授受能を有する有機配位子とヘテロ原子から構成される特異な電子系の創出
Project/Area Number |
19550043
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
村藤 俊宏 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40253140)
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Keywords | ヘテロ原子 / 非ベンゼノイド / アズレン / 超分子化学 / 分子認識 |
Research Abstract |
アズレニル基を配位子とする有機リン化合物の合成を行い、その構造特性ならびに反応特性について明らかにした。(1,3-ジクロロ-2-アズレニル)ジフェニルホスフィンと(1,3-ジブロモ-2-アズレニル)ジフェニルホスフィンを合成し、これらのリン原子を過酸化水素により酸化することで、高原子価状態のホスフィンオキシドへ誘導した。この酸化反応に伴い、顕著な呈色状態の変化(緑から青へ)が観測された。このことは、リンの酸化状態が変化することにより、アズレンのπ電子系に高度なπ分極が誘起されたことを示している。今後は、高度な呈色変化が観測されるように、分子設計を行う予定である。また、(1,3-ジブロモ-2-アズレニル)ジフェニルホスフィンは有機溶媒中で放置すると、予期せぬ脱ブロモ化反応を受け(1-ブロモ-2-アズレニル)ジフェニルホスフィンオキシドへと変化することを見出した。この知見は、2-置換アズレンの新規合成法として展開することができた。現在、この知見をもとに、2-置換アズレンの新規合成法の確立を行っている。
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