2008 Fiscal Year Annual Research Report
高い電子授受能を有する有機配位子とヘテロ原子から構成される特異な電子系の創出
Project/Area Number |
19550043
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
村藤 俊宏 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40253140)
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Keywords | ヘテロ原子 / 非ベンゼノイド / アズレン / 超分子化学 / 分子認識 |
Research Abstract |
アズレニル基を配位子とする有機リン化合物、(1,3-ジクロロ-2-アズレニル)ジフェニルホスフィンオキシドと(6-アミノ-1,3-ジクロロ-2-アズレニル)ジフェニルホスフィンオキシドを合成し、6位へのアミノ基の導入が呈色状態に及ぼす効果について検討を行った。その結果、顕著な呈色状態の変化(青色から赤色へ)が観測された。このことは、push-pull効果によりキノイド型構造が発現しアズレンのπ電子系に高度なπ分極が誘起されたことを示している。また、X線結晶構造解析により、これらの化合物の分子構造を明らかにすることができた。具体的には、アミノ基の導入により結合交替が明確化され、キノイド型構造の発現を示唆する結果が得られた。さらに、アミノ基とホスホリル基の間に分子間水素結合が形成され、これによりhead-to-tail型の長鎖構造を構築していることが判明した。 今後は、より高度な呈色変化が観測されるように、6位にさまざまな電子供与性置換基を導入しながら分子設計を行う予定である。また、1,3位のクロロ基をプロモ基に変え、カップリング反応によりエチニル基やアリール基への変換も図りたい。
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Research Products
(4 results)