2007 Fiscal Year Annual Research Report
遷移状態データベースを用いた合成経路開発システムの構築
Project/Area Number |
19550044
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
堀 憲次 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 教授 (30165568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 豪紀 山口大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (70264116)
隅本 倫徳 山口大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (40414007)
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Keywords | 合成経路設計システム / 情報化学 / 多変量解析 / 有機合成化学 / 溶媒効果 / 分子軌道計算 |
Research Abstract |
本研究では、コンピュータを用い、できるだけ実験を少なくして、「安価に」「早く」「安全に」「より機能を付加し」「環境負荷の少ない」形で新規化合物を開発・合成する手法の開発を目指している。本年度は、遷移状態データベースの増加、反応収率予測、溶媒効果の評価及びコンセプトの検証の4点に絞ったプロジェクトを進め、総合的な現実適用度の高い合成経路設計システムとして機能するTSDBを作り上げることを目的とした。 KOSPを用いることによりペニシリン中間体の新規合成経路の開発の可能性を検討した。KOSPを用いて合成経路を設計したところ、20種類以上の合成経路が提案された。そのうち可能性の高いもの4経路について、実際の合成を行う前に反応機構の解析を行った。その後、いくつかの経路については実験を行い、理論計算と実験結果の対応を検討したところ、(1)合成経路AとBを用いて標的化合物を合成することは可能と結論されたが、実験は必ずしもうまくいっていない。(2)合成経路Cを用いて標的化合物の合成は可能であることを示された。実験は既にHodgettsにより行われている。(3)合成経路Dを用いて標的化合物合成が可能であることは、収率76.4%(ラセミ体98.6%LC)で合成できることが実験により確認された。このように、我々のコンセプトが合成経路開発に適用可能であるかどうかの検証は行われ、情報化学的に創出した合成経路を、高い精度の量子化学計算により評価することで、実験を行う前に合成経路の検討をすることが可能であることが示された。
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Research Products
(15 results)