2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19550053
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
植村 元一 Kyoto Pharmaceutical University, 薬学部, 客員教授 (90047241)
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Keywords | アレーンクロム錯体 / 面不斉 / 軸不斉 / 環化異性化反応 / 金触媒 / エンイン化合物 / 不斉転写反応 |
Research Abstract |
面不斉アレーンクロム錯体を用いた不斉反応を展開してきた。軸不斉ビアリール化合物の不斉合成は重要な研究課題であり、本研究では、エンイン結合を有するアレークロム錯体の金(I)触媒によるcycloisomerization反応で、軸不斉ビアリール化合物の立体選択的な合成法の開発を行った。cycloisomerization反応させる基質として、アルキンに二つの芳香環が結合したアレーンクロム錯体およびアルケン部に二つの芳香環が結合したクロム錯体を用いた。 いずれの基質においても、金(I)触媒との反応は立体選択的に高収率で進行することが明らかになった。この反応ではanti-体のビアリール化合物が生成しており、出発原料として光学活性アレーンクロム錯体を用いることで、軸不斉ビアリール体を光学活性体として合成することができた。 本研究の原料合成のさい、アレーンクロム錯体の芳香環リチオ化反応で用いる親電子試薬の相違で官能基の導入される位置が異ることも明らかになった。1,3-位にヘテロ原子のあるアレーンクロム錯体のリチオ化反応を親電子試薬でトラップすると2-位に置換基が導入されるが、DMFでトラップすると位置選択的に4-位にホルミル基が導入された生成物のみが得られた。この反応の反応機構も考察した。
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