2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19550055
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐々木 陽一 Hokkaido University, 触媒化学研究センター, 推進支援教授 (30004500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大澤 雅俊 北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授 (00108466)
叶 深 北海道大学, 触媒化学研究センター, 准教授 (40250419)
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Keywords | 金属錯体 / 自己集積化膜 / 多核錯体 / 電気化学 / 配位子置換反応 / 酸化還元反応 / 金電極 / ルテニウム錯体 |
Research Abstract |
本研究は、固体表面に自己集積化した金属錯体の反応性を、溶液化学的な立場から定量的な解析を行い、その成果を触媒反応等に応用することを目的として行った。対象とした錯体はオキソ架橋のルテニウム複核および三核錯体が中心で、初年度ではこれらの錯体の自己集積化膜の溶液界面での反応性を、溶液内反応の手法で定量的に解析し、これを溶液内反応自体の結果と比較し、自己集積化錯体の反応性の特徴を明らかにした。これらの知見に基づき、平成20年度では、触媒反応等の応用面への展開を含め以下の様な研究成果をあげた。(1)金電極への段階的な多層膜の生成とその酸化還元反応性の特徴を明らかにした。Ru三核錯体の段階的積層では、反応速度論的な考察に基づき、従来と比べ、桁違いに短時間でより効率的に多層膜を得る反応条件を明らかにした。また、Ru複核、三核を連結した2層膜を定量的に構築し、pHにより両錯体の酸化還元の起こり易さが逆転することを利用して、膜上で電子がホッピングする過程を明らかにした。(2)金基盤上でのRu三核錯体のNO配位反応の定量的な解析を進め、光反応のよる配位子脱離反応と組み合わせることにより得られる、NO配位錯体のパターニングについて、さらに定量的な理解を進めた。(3)Pt-Ru複核錯体を白金上に自己集積化させ、それを基にPt-Ru混合金属膜を作成し、特徴的な水素化反応触媒能を確認した。(4)銀固体表面での4,4'ビピリジンの界面酸化還元反応の定量的な理解に基づいて、界面での水素発生触媒反応に対して有力な機構を提唱した。2年目には以上の様な触媒反応に関わる応用面での成果にもつなげる事が出来、本研究の当初の目的は十分に達せられた。
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Research Products
(11 results)