2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロビーズを用いたタンパク質-糖質間結合の電気化学的研究
Project/Area Number |
19550078
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
菅原 一晴 Gunma University, 教育学院, 准教授 (30271753)
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Keywords | マイクロ磁性ビーズ / 糖鎖 / ボルタンメトリー / 擬似細胞 / Concanavalin A / Wheat germ agglutinin / カーボンペースト電極 / ラベル化 |
Research Abstract |
磁性ビーズを擬似細胞とみなし,グルコサミン修飾ビーズ上でのwheat germ agglutinin(WGA)の結合をボルタンメトリーにより評価した。その結合を評価するために,アミノ基を有するビーズに架橋剤を介して糖質を修飾し,電極活性物質でラベル化したグルコ・ースを調製した。まず,WGAと修飾ビーズを溶液中でインキュベーションした後,ラベル化グルコースを加えた。その結果,ラベル化グルコースの電極活性部位はWGAに被覆されるため,電極応答の減少が観察された。それに対して,グルコサミンやグルコースに対して結合サイトを持たないレクチンと修飾ビーズとを混合すると,ピーク電流値の減少は認められなかった。それゆえ,ビーズ表面上でグルコサミン部位とWGAとの結合が選択的に起きていることが明らかとなった。マンノース-シリカビーズで修飾したカーボンペースト電極を用い, マンノース残基を認識するconcanavalin A(ConA)との結合を電気化学的にモニタリングする方法を開発した。電極活性物質でラベル化マンノースによりCon Aとビーズ表面のマンノース残基との結合は,電極応答の変化から測定される。未修飾電極において,電極活性部位に起因する酸化ピ-クが観察される。次に,Con Aを含む溶液中に電極を浸し,Con Aなしの溶液でラベル化マンノースの測定を行った。その電流値は,先の測定で得られた電流値の80%程度になった。これは,Con Aが疎水性が高いため未修飾電極表面に吸着し,ラベル化マンノースがConAの結合サイトに取り込まれたものと考えられる。一方,修飾電極での電流値はCon Aと反応させない場合の約30%になった。修飾電極ではCpn Aの疎水的相互作用に加え,電極表面に存在するマンノース残基とCon Aとの選択的な結合により電流値の減少が大きくなることが見いだされた。
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