2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロビーズを用いたタンパク質-糖質間結合の電気化学的研究
Project/Area Number |
19550078
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
菅原 一晴 Gunma University, 教育学部, 准教授 (30271753)
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Keywords | グルコース / 磁気ビーズ / Wheat germ agglutinin / チオニン / カーボンペースト電極 / キチン / 酵素アッセイ |
Research Abstract |
1.生体適合性が高いキチンに分子認識機能を有するタンパク質を修飾するならば、新しい機能をキチンに持たせることができる。本研究では、このコンセプトに基づき粒径の異なるグラッシーカーボン粉末(GCP)とキチン、白金、バインダを混合してカーボンペースト電極を作製した。そして静電的相互作用によりグルコースオキシダーゼを電極表面に固定し、グルコースのセンシングを試みた。グルコースの添加により生成する過酸化水素応答は、GCPに対するキチンの添加量を10%としフタル酸ジオクチルをバインダとした場合では、GCPの粒径が0.4-10μm、10-20μm、20-40μm、50-80μmでは10-20μmでもっとも再現性のよい明瞭な電極応答を示した。それゆえ、GCPの粒径が電極応答に大きく影響すること力脇かであり、酵素センサの開発において重要な要因となる。 2.小麦由来レクチン(WGA)とセロヘキソースとの結合を評価するために、シッフ塩基反応によりアミノ基を有する磁性ビーズにセロヘキソースを修飾した。その糖鎖は、WGAの分子認識部ならびWGAをビーズに固定するためのスペーサとして働く。WGA-糖鎖間結合の評価には電極活性物質でラベル化したグルコース(LG)を用い、ボルタンメトリーによる測定を行った。LGの電流値は溶液中でWGAとの結合に基づいて減少した。一方で、修飾磁性ビーズとWGAとをインキュベーションした後にLGを添加すると、電流値はビーズましの測定に比べて増加した。その結果は、WGA-LG間結合はビーズ上の糖鎖とWGAとの相互作用によって抑制されていることを示す。さらに、ビーズに他のセロオリゴ糖を修飾してWGAに対する結合力を比較したところ、その親和力は糖質の長さに依存していることが見いだされた。従って、一連のビーズはタンパク質と糖鎖間の結合のモニタリングに有用であると考えられる。
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