2008 Fiscal Year Annual Research Report
電位規制界面XAFSによる溶存物質の局所構造と分布の直接測定
Project/Area Number |
19550080
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
原田 誠 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 助教 (60313326)
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Keywords | XAFS / 固液界面 / 電位規制表面 / 膜吸着 / 熱レンズ |
Research Abstract |
水溶液中の電極表面は、サイクリックボルタンメトリーにおいてはさまざまな反応が起こる場であり、電気化学や触媒化学のみならず、機能材料や生態試料の反応に関するシミュレーションの場としても有用である。水溶液中での電極表面、すなわち固液界面で起こる現象を捉えるために近年ではSTM、AFM、SHG、SFGなどによってin situで測定する方法が多数開発されてきており、固液界面への注目度の高さが伺える。本研究では、水溶液中で起こる物質の変化や電極に対する吸着を、電極電位を規制しながら、XAFS法、および熱レンズ法で吸着量や吸着化学種、およびその吸着構造変化等を観察することを試みた。 ITOやIZOなど、導電性のある透明な膜を蒸着したガラス板とダブプリズムを用い、アルゴンレーザー光をITO膜/水溶液界面で全反射するように入射し、電極表面に存在する物質の熱吸収を熱レンズ法によって観測した。水溶液に塩化金酸水溶液を用いて、ITO膜を作用電極として電位を掃引し、印加する電位によって塩化金酸イオンが金コロイドに還元される様子を熱レンズとサイクリックボルタモグラム両面から観測した。電位の掃引によって金コロイドが薄膜上にITO電極表面に吸着していく様子が観察され、電極表面で起こっている微小な金膜生成挙動をサイクリックボルタンメトリー同時観測できることが明らかとなった。また、金の生成量と金膜の厚さから電極表面での膜の生成速度について考察を行った。
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Research Products
(4 results)